TOPICS 専門の人に、悩み相談できる予備校もあると聞きました。みすず学苑には、 カウンセラーはいないのでしょうか。

Q.専門の人に、悩み相談できる予備校もあると聞きました。みすず学苑には、カウンセラーはいないのでしょうか。

A.過去には十数年間、専門のプロカウンセラーを置き、一人ずつの悩み相談を受けていました。しかし、それには長所もありますが、短所の方が大きいとわかり、今はやめています。
 受験生は、常に悩みと葛藤、不安と心配を抱えています。全国の受験生がそうです。しかし、不安を口にし、相談すると「これが私の悩みなんだ」と、深く自覚するようになります。それが、一度や二度ならいいのですが、実際は、同じ生徒が何度も相談に来るのです。つまり、相談しないとやっていけない、悩み相談依存症になるのです。
 相談に来ない生徒は、「受験ってそんなもんだ。友達と一緒に頑張ろう」と、前向きに勉強し、不安を忘れて頑張ります。悩みや葛藤を持ちながらも、明るく超えていくのです。だから、悩みは聞きますが、聞きすぎないほうがいいのです。
 しかし、深刻な悩みがある時は、個別の面談室でしっかり聞き、適切に対応します。47 年間、そうして来たのです。
 しかし、ほとんどの悩みは、受験生共通のものです。それを突き詰めれば、雑念妄想なのです。その悩みを、毎回相談していると、何かあれば、人に相談しないと生きて行けなくなります。社会に出れば、どんな分野に進もうと、リーダーや責任者は孤独です。自分が決断した事の、結果責任を負うのです。
 大学や高校、中学や小学校でも、基本は同じです。部活や生徒会で、リーダーや責任者になれば、常にどこかで孤独です。責任感をもてば、孤独も背負うのです。それに打ち勝ってこそ、責任を全うすることができます。
 アニメの主人公も、孤独に打ち勝ってこそのヒーローです。その姿に、仲間は感動し、人々は声援を送ります。
 受験とは、並のレベルを超えて、一人一人がヒーローになる舞台です。不安や葛藤や悩みは、ヒーローになるための糧です。これを、前向きに乗り越えれば、入学、就職、結婚、転職、昇進、コンクールなど、様々なカベも乗り越えられます。アニメの主人公も、会社の経営者も、リーダーや責任を持つ者は、大きな問題以外は、いちいち人に相談しません。意見は広く聞いても、最後は自分が決断し、責任を負い、解決すべきだからです。
 揺れ動く感情を、理性が統率してこそ責任者です。受験とは、成功しても失敗しても、最終的には自己責任です。誰のせいにもできません。誰かのせいにしても、結果は一生自分が背負うものです。大人としての18 才が、自己責任で向かう壁が、大学入試なのです。
 しかし、心配は要りません。それは基本であり、本質的理解です。実際には、教室の仲間がいます、側そばには先生がいます、スタッフがいます、先輩OBのアシスタントもいます。どこかが孤独でも、孤立ではなく、寂しくはなく、温かいのです。
 言わば、前向きで明るい孤独です。だから、ほぼ全員が入試の壁を見事に超え、100% 近い合格率と、高い合格実績を達成し、自己責任を最高に全うしてるのです。
 これが、みすず学苑の、悩み相談に対する考え方です。

(2024.7.7)